とと姉ちゃん|高畑充希演じる小橋常子のモデル大橋 鎭子の生涯
朝ドラ『とと姉ちゃん』は、高畑充希さん演じるヒロインの小橋常子が
激動の昭和の時代を生き抜き、生活情報誌の先駆けとなる
「あなたの暮らし」の出版を成功させる物語。
常子は父を早くに亡くしたことで、かなりの苦労をすることになりますが、
後にともに「あなたの暮らし」を作り上げることになる
ふたりの妹との家族愛や姉妹愛も描かれます。
この『とと姉ちゃん』の小橋常子のモデルとなったのが、
大橋鎭子(おおはし しずこ)さん。
終戦直後に雑誌「暮らしの手帖」を大ヒットさせた人物として知られています。
今回はこの大橋鎭子さんの生涯をご紹介していきます。
コンテンツ
高畑充希演じる小橋常子のモデル大橋 鎭子の生涯
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大橋鎭子
1920年(大正9年)3月10日~2013年3月23日
大橋鎭子は大正9年に東京で生まれますが、繊維会社に勤務する
父親の武雄の転勤のため1歳で北海道に移住します。
しかし父親が肺結核になってしまい、鎭子が10歳の時に他界してしまいます。
父親の葬儀ではわずか10歳にも関わらず喪主を務めています
(このあたりがドラマが『とと(父親)姉ちゃん』というタイトル
になっている所以と思われます)
父親が亡くなった後は、母の久子が鎭子とそのふたりの妹の晴子、
芳子の三人を女手ひとつで育てることになりますが、かなり苦労したようです。
そんな中、14歳になった鎭子と母の久子は久子の主治医が教えてくれた
歯槽膿漏を防ぐ歯磨きの処方に着想し、練り歯磨き粉の製造と販売に乗り出します。
祖父の資金援助もあって何とか練り歯磨き粉は完成しますが、
同級生の出資話がなくなったことなどのアクシデントもあって、
この商売は大失敗に終わります。
その後鎭子は祖父の援助で東京府立第六高等女学校(現都立三田高校)を
卒業すると家計を助けるべく、日本興業銀行へ入行します。
ここで鎭子は調査部に配属され、複数の新聞の中から重要な記事を抜き出して
幹部に届けるという仕事に従事します。
それと同時に編集の作業も任されることになって、この経験は後に
出版社を立ち上げる際に大いに活きます。
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しかし学業を諦められない鎭子は3年で同行を辞めて、
日本女子大学へ入学します。
ところが運悪く鎭子は父親の死因となった肺結核を患ってしまい、
わずか1年で学業を諦めざるを得ませんでした。
そして病が癒えた鎭子は、21歳で創刊されたばかりの日本読書新聞に入社し
広く出版について学びます。
しかし時代は太平洋戦争へと突入し、編集長や部員にまで召集令状が届くことになり
新聞は休刊に追い込まれてしまいます。
太平洋戦争の末期に鎭子は会社勤めでは給料が安く、
母や妹を幸せにできないと考えて、自分で起業することを考えます。
材木屋や洋裁店など思いつきますが、結局鎭子はこれまでの経験を活かす
ことができる本を作って売ることを決意します。この時25歳でした。
終戦後は復刊した日本読書新聞に戻りますが、
編集者の花森安治と運命的に出会います。
花森と組んで雑誌を出版することになった鎭子は、「女性に役立つこと」
「暮らしがよくなること」「衣食住を取り上げること」などの構想を具体化していきます。
そして鎭子と花森は1946年(昭和21年)に衣装研究所を立ち上げて、
妹の晴子、芳子の協力で「スタイルブック」を創刊します。
その後1948年(昭和23年)には花森を編集長とした
「美しい暮らしの手帖」(後の暮らしの手帖)を創刊。
当時では目新しかった総合生活雑誌の同誌は、復興や経済成長による
国民の生活向上志向の高まりも後押しして、人気雑誌となっていきます。
この「暮らしの手帖」は、消費者目線で商品の安全性や品質のテストなどを
誌面でおこなう当時としては画期的な内容や企画で評判でした。
その後も同誌の企業からの広告を受け付けない、厳格な商品の審査などの
スタンスは消費者のみならず、メーカーにも大きな影響を与え続けました。
1978年に花森が死去すると、鎭子は社長の他に編集長も兼務することになります。
そして鎭子は2004年に84歳で社長を引退するまで、
社業にまい進し続けることになります。
鎭子は2013年に93歳で亡くなりますが、生涯独身を貫きました。
ざっくりと大橋鎭子の生涯をご紹介しましたが、この人も朝ドラのヒロインの
モデルとされるだけあって、前向きでガッツもありますね♪
そして個人的に大橋鎭子が素晴らしい人物だと思うのは、それでいて
優しさや思いやりを決して忘れないことです。
ここでは詳述しませんが、戦時中の被災者とのエピソードや暮らしの手帖社の社員
とのエピソードなど、心暖まる感動ものの逸話も数々あります。
これらを下敷きに描かれる朝ドラ『とと姉ちゃん』のヒロインの小橋常子の成長や
奮闘記なども楽しみですね♪
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