あさが来た|今井忠興がはつや惣兵衛の山王寺屋に金を貸さない理由

 

朝ドラ『あさが来た』は銀目停止がダメ押しとなり、

山王寺屋は瀕死の状態に陥ります。

 

数年前までは大阪一の両替商だった山王寺屋ですが、諸藩への貸付金の焦げ付きや

銀目停止による銀手形の換金などで運転資金が枯渇してしまいました。

 

そんな中女将の菊(萬田久子)ははつ(宮崎あおい)と惣兵衛(柄本佑)に、

事もあろうにはつの実家の今井家にお金を借りてくるよう命じます

 

惣兵衛の新政府軍への上納金の提案などをことごとくはねつけてきた菊ですが、

嫁の実家に借金の融通をさせるなど、はつや惣兵衛にとっては耐え難い屈辱だったはずです。

 

確かに今井家ははつの実家ですが、もともと山王寺屋とは同じ両替商で商売敵。

 

あさ(波瑠)の嫁ぎ先の加野屋も資金繰りに苦労しますが、

決して今井家に助けを求めるようなことはしませんでした

 

やむなく今井家に赴くはつと惣兵衛でしたが、今井家の当主ではつの父親の

今井忠興(升毅)は借金の申し出を一蹴します。

 

ドラマでは惣兵衛に先を読む目と覚悟がないことを理由に、

あっさりと借金を断った忠興ですが、

 

今井家が山王寺屋にお金を貸さなかった詳細はどのような理由からだったのでしょうか?

歴史をひも解いてみると、その理由がわかります。

 

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今井忠興が山王寺屋にお金を貸さなかった理由は?

 

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まず『あさが来た』の原作本の「土佐堀川」には、はつや惣兵衛が今井家のモデルの

三井家に借金を求める描写はありません。

 

しかし山王寺屋のモデルの天王寺屋と三井家は縁戚関係ですので、

お家存続の危機に助けを求めたのは容易に想像ができますね

 

ですが、三井家は以下の理由から天王寺屋の借金を断ったと考えられます。

 

①天王寺屋の借金が巨額すぎた

 

ドラマでも所々で描写がありましたが、天王寺屋は旧徳川幕府側に

巨額の貸し付けをしていました。

 

もちろんこのほとんどが焦げ付いたわけですから、

損失は莫大な金額に及んだはずです。

 

そのためこれらを穴埋めして運転資金を確保するために、

天王寺屋は巨額の借金をしていたと思われます。

 

ちょっとやそっとの金額の融資では、もはや天王寺屋の倒産は回避はできないレベル

だったと思われます。

 

同じ頃、三井家にも徳川幕府からの上納金が求められましたが、

三井家では様々な策を弄して、これを減額したり延期したりしていました。

 

三井家は早くから徳川幕府が倒れると読んでいたのです。

 

②天王寺屋は新政府を軽視し過ぎた

 

上記と重複しますが、天王寺屋は徳川の世が続くと判断して、

新政府側の支援をあまりしてきませんでした

 

三井家がいち早く新政府側を支援したのとは対照的だったのです。

 

完全に時流を読み違えた天王寺屋には、たとえ明治の世になっても

新政府からの恩恵はそれほど見込むことができない状況です。

 

このように三井家とは真逆の判断をした天王寺屋ですから、

三井家が融資を渋るのもわかりますよね。

 

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③三井家にもお金がなかった

 

三井家も京都一の豪商ですが、諸藩や徳川幕府への貸付金の焦げ付きや銀目停止によって

大きなダメージを受けています。

 

しかも三井家は当初から新政府軍を支援し続けています。

 

大阪城から徳川慶喜らの旧幕府軍を追い払った新政府軍ですが、

とにかく軍資金がありませんでした

 

戊辰戦争

(戊辰戦争)

 

そのためこの勢いで東上して、幕府を倒すためには巨額の資金が必要となりました。

 

これをねん出したのが三井家や小野家、島田家の豪商たちです。

もしこの時に三井家らが資金援助をしなければ、

明治維新はもっと遅かったとの指摘もあります

 

この時三井家は、まさにお家の命運を賭けた大勝負に出ていたのです。

ありったけの資金を新政府側に提供したのです。

 

そのため、いくら縁戚関係があるとはいえ天王寺屋に融通する資金は

三井家にはなかったのです

 

『あさが来た』では、山王寺屋は今井忠興に借金の申し出を断られたことにより、

止めを刺され万策も尽きます。

 

山王寺屋の菊は、後々まではつの父親の忠興を恨みますが、

これはまさに逆恨みですね。

 

山王寺屋が時代の流れを読み違えたことが没落の最大の原因ですし、

今井家にも相応の事情があったのです。

 

ただし、毅然とした態度で惣兵衛の融資の申し出を断った忠興ですが、

その心中はただならぬ思いもあったはずです。

 

ましてやここで山王寺屋が融資を受けられなければ、

辿る運命もわかるでしょうし、愛娘のはつも路頭に迷うことになります。

 

それにも関わらず山王寺屋に融資をしなかった忠興は生粋の商売人で、

お家を守るためなら冷徹な判断も辞さない信念が表れていると感じました。

 

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