とと姉ちゃん|諸橋道子は不倫でクビ!鳥巣商事はブラック企業?
朝ドラ『とと姉ちゃん』では、常子が鳥巣商事で奮闘する様子が描かれます。
浄書室(タイプ室)のリーダー早乙女朱美に反抗して男性社員の手伝いをするなど、
ひと悶着もありますが、常子はタイプ室の貴重な戦力に成長していきます。
周知のとおり、かなりの男尊女卑がまかり通っている鳥巣商事。
男性社員は困ったときに資料作成などを願うくせに、いざ完成させると
お礼すら言わない始末。
そんな鳥巣商事ですが、常子の先輩タイピストの諸橋道子(野村麻純)と
上司の不倫が発覚し、激震が走ることになります!
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諸橋道子は不倫でクビ! 鳥巣商事はブラック企業?
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鳥巣商事のタイプ室のNO.2のような立ち位置の諸橋道子ですが、
上司との不倫が発覚して会社をクビになります。
一方で不倫相手となった男性社員にはお咎めがないことから、
タイプ室のリーダーの早乙女朱美は激しく抗議することになります。
しかしそんな朱美の抗議も、課長の山岸に一蹴され処分は変わらず。
タイプ室も主要メンバーの道子を失ったことで、ひと際忙しくなり、
常子も多忙な日々を送ることになります。
このような男女不平等な処分をする鳥巣商事は現代であればブラック企業
ということになりますが、当時はよくあることでした。
というのも、当時は姦通罪が刑法に定められており、不倫をした妻を罰する
法律の規定があったのです。
夫が不倫した場合には罪には問われなかったことから、不倫問題の責任の所在を
女性側だけに求める社会の風潮があったのです。
ドラマの道子は未婚女性のようですから姦通罪にはあたりませんが、
その責任をとらせる意味で会社側が解雇することや不倫相手の男性社員に
何らの処分がないことは、当時としても十分に考えられることです。
現代のわたしたちからすれば理不尽極まりないものに映りますが、
70~80年前の日本はこうまでも遅れていたのです。
このように道子の不倫問題だけをとりあげれば、鳥巣商事は一概にブラック企業とは
言えないようですが、どうもこの会社の描き方には疑問を感じます。
鳥巣商事の描き方に感じる疑問
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周知のとおりここまでの鳥巣商事の男性社員たちは概ね横柄で、
女性蔑視の考え方を持っているようです。
課長の山岸は言わずもがなですし、登場する男性社員たちも仕事を手伝った常子に
感謝の意すら述べず、少なからず早乙女朱美の気持ちも理解することができますね。
それでいて男性社員たちはデスクの整理整頓もできていないし、
資料をまとめる能力も低そうです。
他方で高給取りのタイピストを8名も雇っていることから、
この会社の業績はいいようですがリアリティに欠けますね。
いくら当時は男尊女卑の風潮があったからと言っても、みんながみんな
そのような考えに従って行動してはいないはず。
常子のモデルとなっている大橋鎭子が勤務した興銀時代の上司の工藤昭四郎が
男女平等の考えを持った先進的な好人物だったことなどを考えると、
ドラマの鳥巣商事の描き方はかなり残念です。
しかも鳥巣商事での一連の出来事は、どれも朝から見たくない重々しいものばかりです。
それに加えて今回の諸橋道子の不倫問題ですし、後に常子も同僚の多田かをるの密告
によって会社をクビになってしまいます。
今回の朝ドラは嫁姑問題もなさそうなので、製作側としてはヒロインの試練の場
という意味合いや当時の理不尽な女性蔑視を挿入したい意図のようですが、
どうも極端すぎる感もしてなりません。
このあたりの判断は視聴者の方々にお任せしますが、
わたしは鳥巣商事のシーンになるたびに目をそむけたくなってしまいます。
※追記
その後、常子と早乙女朱美らタイピストたちとの関係は良くなっていくようで、
その点だけはホッとしました。
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