とと姉ちゃん|国家総動員法って何?国民生活にどんな影響を与えた?
朝ドラ『とと姉ちゃん』では国家総動員法が制定され、
庶民の生活にも徐々に戦争の足音が近づいてきました。
しかもそれに基づく価格等統制令の影響で、森田屋や青柳商店の営業に
深刻なダメージが生じる様が描かれます。
昭和初期や大正時代をスタートとする朝ドラでは戦争は避けられないものですが、
いよいよ『とと姉ちゃん』でも戦時の色が濃くなっていきます。
ところで当時の国民生活に大きな影響を与えた国家総動員法とは、
どのような法律だったのでしょうか?
その影響も含めてご紹介しましょう。
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国家総動員法って何? 国民生活にどんな影響を与えた?
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国家総動員法とは昭和13年(1938年)4月に制定された法律で、
戦争の遂行のために人的・物的物資をすべて政府が徴用できるという法律です。
前年にはじまった日中戦争で苦戦し、長期化すると読んだ政府が総力戦の遂行のために
定めたのがこの法律です。
この法律により、経済体制は国のコントロール下の統制経済体制に移行しました。
この法律により国の統制下に入ったものを大きく分けると、①労働問題②物資統制
③金融・資本統制④カルテル⑤価格一般⑥言論出版統制です。
国家総動員法はこれらの統制を具体的に定めはなかったので、
個別的な統制は勅令によりおこなわれました。
つまり先で取り上げた価格等統制令も、この国家総動員法を実現するための
勅令のひとつです。(⑤を実現するため)
そして国民生活に大きく影響したのは、②物資統制と⑥言論出版統制です。
物資統制については、軍需物資であるガソリンや重油などが昭和13年から
切符販売制がはじまります。
さらに昭和15年(1940年)には砂糖とマッチ、清酒などが切符制となりました。
さらに翌年には遂に米が配給制になってしまいます。
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そしてこの配給制は多くの品目に広まっていき、昭和17年1月には味噌、醤油、塩が
翌月には野菜や魚などの生鮮食品も対象となり、昭和18年(1943年)には
生活必需品はほとんどが配給制となりました。
切符制は国民の生存に関係ない商品で主にとられ、切符があればある程度
品目や数量が選べた制度です。
配給制は国民の生存に関わる品目でとられた制度で、国がその最低限を支給するもので、
「最低限」の量には変動があり、遅配・欠配などもありました。
これらに加えて言論出版統制は特高警察などでよく知られているところで、
国や軍、皇室などの批判は処罰されたばかりか、社会主義者や共産主義者なども
弾圧されていきました。
国家総動員法は必要とあれば新聞や出版物の掲載の制限を規定していましたので、
検閲も多岐にわたっておこなわれ、日本の言論の自由はもはやなくなってしまったのです。
この言論出版統制は戦時の負の歴史の代表格ですが、これを実現してしまったのも
国家総動員法だったのです。
ドラマでも今後は戦時色が強まって、小橋一家は物資や食料の欠乏などに
悩まされることになるでしょう。
さらに常子は鳥巣商事を退職後に甲東出版に入社することから、
言論出版統制の影響をまともに受けることになります。
舞台は敗戦に向かってまっしぐらで非常に暗い時代となりますが、
常子や小橋一家の奮闘に期待しましょう!!
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