とと姉ちゃん|小橋常子の雑誌や出版社は金儲け?共感できない理由
朝ドラ『とと姉ちゃん』では、常子ら小橋三姉妹は雑誌作りに着手しました。
ようやくモデルとなっている大橋鎭子の史実なども下敷きにされるだけあって、
期待は大きいですね~
物語の前半が鎭子とは無関係のフィクションが多かったので、なおさらです。
鎭子のように常子がいかに「あなたの暮し」をロングセラー雑誌にするかも
興味深いところですね♪
ところがふたを開けてみれば、小橋常子や三姉妹の一連の雑誌作りや
出版社にはどうも共感ができません。
その理由を考えてみました。
コンテンツ
雑誌作りの理由や動機が中途半端
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まずドラマを観て大いに違和感を覚えた点は、
常子の雑誌作りの理由や動機です。
主たる理由は2つで「女性のために役に立つ雑誌を作る」ことと、
「お金持ちになること」あるいは「家族に楽をさせてあげること」です。
前者に関しては常子がこれまで関わってきた女性、中でも青柳滝子や東堂チヨ、
お竜や早乙女朱美の影響からかと思います。
そして再会した村野綾(中田綾)の平塚らいてうの「青鞜」のエピソードも
背中を押しました。
その反面、家族に楽をさせたいためにお金を稼ぎたいという感情も常子にはあり、
このあたりは叔父の鉄郎の「金を儲けろ」「金を稼げ」などのセリフでも
強調されていた面です。
しかしこの2つの動機を盛り込んでしまったゆえに、非常に中途半端に感じてしまい、
結果として視聴者は共感できないように思えます。
モデルの大橋鎭子の自伝などを読むと、鎭子が出版社を立ち上げて雑誌を出した
主な動機はお金です。
苦労をかけた母親や家族に楽をさせたいためですが、
「人に使われていては収入が少なくてどうにもなりません」とも語っています。
その上で、「女性に役に立つ雑誌」というアイデアをひねり出したようです。
ドラマでは2つの理由や動機を並列的に盛り込んでしまっていますが、
このあたりは1つに絞ったほうがよかったように思います。
ドラマの王道的には、戦前には社会的な地位の低かった女性の生活の向上のための
雑誌作りとしたほうがよかったですね。
また小橋家の窮状や戦中や戦後の女性の苦労を見せた上で、
家族のためにお金を稼ぐ! でも十分にドラマになるでしょう。
※前作のヒロイン白岡あさもまずはお金のために動いていました
やはり女性の役に立つと言う一方で、お金を稼ぎたいというのは
感情移入しづらいですね…
青柳滝子の教訓が活きていない
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ドラマの「スタアの装ひ」は粗悪な紙や印刷でしたが、
そのあたりを強調するのも疑問があります。
終戦直後は深刻な物資不足などでこのあたりは致し方ないのですが、
あれだけ質の悪い木材を使うことを拒んで、最終的には200年続いた
青柳商店の暖簾を降ろした青柳滝子の教訓は反故になってしまいました。
せめて「スタアの装ひ」の売上が落ちた時点で、常子たちは滝子の言葉を思い出して
後悔するくらいの描写があってもよかったのじゃないでしょうか?
そうでなければ、終戦直後なのでしょうがないということで
雑誌の粗悪面はスルーしてもよかったように思えます。
この描き方では、滝子が身をもって教えた「商売は信用が第一」という姿勢を
常子ら小橋家の人びとはまるで理解していなかったと解釈されてしまいます。
その他にも、鞠子が急に自信家になった突然のキャラ変や
「下品」とも思われる常子の金歯の妄想シーンなど共感できない点もあります。
個人的には常子たちの雑誌作りのエピにはかなりの期待を寄せていたので、
がっかりした面は否めないです…
とは言え、唐沢寿明さんの花山伊佐次がいい味を出していたりしているので、
今後に期待しましょう!
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