とと姉ちゃん|暮しの手帖が広告を掲載しない理由は?すごい雑誌!
朝ドラ『とと姉ちゃん』では、常子たちは雑誌「あなたの暮し」を
創刊することになります。
周知のとおり「あなたの暮し」のモデルとなっているが、
大橋鎭子や花森安治が刊行した「暮しの手帖」です。
同誌は現在でも脈々と発売されている超ロングセラーの雑誌で、
創刊から徹底して庶民の暮しの向上につながるような記事を掲載してきました。
そんな同誌の大きな特徴が外部の広告を一切掲載しない方針。
現在でもこのスタンスは貫かれており、自社の書籍等の広告以外は
一切掲載されていません。
雑誌の二大収入源は売上自体と広告収入ですから、自ら一方の大きな収入源を
断っている同誌のスタンス誌は極めてまれです。
なぜ同誌は広告を掲載しないのでしょうか?
コンテンツ
暮しの手帖が広告を掲載しない理由は? すごい雑誌!
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暮しの手帖が外部の広告を掲載しないというスタンスは、
編集長の花森安治の提案でした。
花森が広告を嫌った理由は2つあり、1つ目は誌面のデザイン面からの
理由です。
花森は編集長でありながら、誌面の内容はもちろんのこと、
割り付けやレイアウトといったデザイン面もすべて自分でやっていました。
外部の広告を掲載するとなると、あくまでも広告の内容やデザインなどは
広告主が決めることになりますから、花森はこれを嫌ったのです。
天才的なセンスもあった反面、職人肌でこだわりも相当だった花森ですから、
自ら作り上げた渾身の誌面に、広告などの他人が作り上げたデザインが
入り込むのをよしとしなかったのです。
2つ目の理由は、広告主から余計な圧力や介入がかかることを避けるためです。
特に同誌の長い間にわたって掲載された「商品テスト」に関しては、
目玉企画だったこともありかなり厳格におこなっていました。
テストの内容自体はもちろんのこと、対象となった商品への評価も
よい製品は絶賛する反面、ダメな製品は酷評しました。
そのため読者の商品テストに対する信頼は大きく、テストの結果が
製品の売上にさえ影響を与えました。
そのような経緯から花森は商品テストの中立性や公正性を担保するためにも、
同誌に外部の広告を掲載しなかったのです。
しかしこのようなスタンスを貫くことはものすごい覚悟が必要です。
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雑誌の大きな収入源のひとつの広告収入を自ら断っていますので、
とにかく雑誌の売上がすべてとなります。
そのためにはありきたりな内容では到底無理で、雑誌のコンテンツもかなり充実
させる必要もあります。
当初から「暮しの手帖」はかなりの豪華な執筆陣を揃えていますし、
商品テストに代表される様々な人気企画も登場しました。
まさにそれらは花森や大橋鎭子ら編集部員たちの努力の賜物でしょうが、
広告収入という退路を断っているがゆえにひねり出されたようにも思えます。
現在でもメジャーな雑誌で、外部の広告を掲載しないというスタンスをとっているものは
同誌以外は聞きません。
ドラマでも花山伊佐次が「誰もマネできない雑誌」を作ると言いましたが、
このようなスタンスは到底他社がマネできるようなものではありませんね?
その意味では広告を載せないという「暮しの手帖」の方針は、
良質な雑誌である続けることの覚悟や自信の表れとも捉えることができますね!
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