とと姉ちゃん|暮しの手帖の商品テストで評価された商品やメーカー
朝ドラ『とと姉ちゃん』では、常子たちのあなたの暮し出版は
商品試験をはじめます。
この試験を巡っては様々なドラマも展開されていくのですが、
そのモデルとなっているのは「暮しの手帖」の商品テストです。
他の記事でも紹介しましたが、この商品テストは非常に厳格で公正に
おこなわれており、実名を挙げてメーカーや商品を酷評することもしばしば。
当時の日本製のデキは非常に悪かったので、後に有名メーカーとなる
ナショナルやサンヨーの商品なども酷評されました。
その後、メーカーの努力もあって日本製の性能が上がると、
このテストでも評価される商品が増えますが、開始直後はどちらかと言えば
否定的な評価を受けた商品やメーカーが多かったです。
しかしそんな中、高い評価を受けた商品やメーカーも存在しました。
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暮しの手帖の商品テストで評価された商品やメーカー
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「暮しの手帖」の商品テストは昭和29年(1954年)のソックスからはじまり、
平成19年(2007年)の2月号で終了するまでかなり多くの商品を取り上げてきました。
特にテストを開始したころは、日本が高度経済成長期に突入していき
国民の消費力も急激に増したので、「作れば売れる」の時代。
そのため粗悪品も世の中に溢れており、同誌は昭和44年(1969年)までの
15年間で273品もの商品をテストしています。
他の記事でも書きましたが、その間ナショナルなどの食器洗い機を
完全否定したほか、洗濯機や冷蔵庫などでも軒並み厳しい評価を
各メーカーの商品に下しています。
そんな中、高度経済成長期の商品テストで評価された製品やメーカーは
次のとおりです。
Zライト(卓上スタンド)
各社ともデザインをアメリカ製に酷似させていた点は批判されていますが、
商品そのものは評価しています(メーカー名などの詳細は不明)
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インスタント食品
意外なことに「暮しの手帖」の商品テストは、インスタント食品
(主に味噌汁や麺類)を高評価しています。
その理由は最終的な評価を下す花森安治が、その機能性を高く評価
していたからです。
当時は現在のように週休二日制なども確立されておらず、
「モーレツ社員」などの言葉で表現されたように、
サラリーマンの労働時間の長さは現在と比較にならないほどでした。
さらにはマイホームブームなどの影響で共働きの家庭も急激に増えたため、
少しでも調理時間などを節約できるインスタント食品に高評価を与えたようです。
ただし食品添加物などの問題をスルーしていたので、
後年の研究者にこの点を批判されています。
缶詰・冷凍食品
こちらもインスタント食品と同じく、その機能性に着目して
概ね高評価を与えています。
特にトマトジュースは絶賛しており、非常に優れた飲み物として
読者に飲用をすすめています。
あけぼの、かごめ、デルモンテ、森永、雪印などの全11商品の
味の感想を掲載し、すべてを評価しています。
電動ミシン
電動ミシンの商品テストは各機種につき10カ月間かけて1万メートル
も縫って、その仕上がりの美しさなどで評価しました。
その際に、シンガーとトヨタのミシンの仕上がりの良さを評価し、
蛇の目とブラザーのミシンはまずまずとの評価を与えています。
掃除機
掃除機に関してはもともと日本のメーカーの性能がよかったのか、
昭和41年(1966年)の第2回のテストでは全8機種のうち、
「Aよろしい」が2機種、「Bまずよろしい」が5機種と高評価です。
ただし多くのメーカーが色を赤としている点を批判し、
その点についてはグレーの掃除機を出していたナショナルを評価しています。
二槽式洗濯機
昭和45年の10月号で、当時の相場の半値で売り出したナショナルとサンヨーの
製品をテストしています。
恐らく販売価格があまりにも安かったので粗悪品を疑ったのでしょうが、
ふたつの商品ともに高評価を得ました。
※反面、当時出はじめていた全自動洗濯機については完全否定
「暮しの手帖」はかなり多くの商品を取り上げているので、
すべてを挙げるのは不可能ですのでざっとまとめてみました。
このように辛辣なイメージのある同誌の商品テストですが、
評価すべき商品はちゃんと評価しているのがわかりますね。
そのため特に高価だった家電に関しては、
製品を買う前に「暮しの手帖」を読む
というのが当時のトレンドだったようです。
このような経緯をモチーフにした
「あなたの暮し」の商品試験にも期待しましょう!
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