とと姉ちゃん|暮しの手帖のトースターの商品テストが凄い!驚愕の内容
朝ドラ『とと姉ちゃん』では、雑誌「あなたの暮し」の商品試験の記事が
読者に好評で、雑誌の販売部数も大きく伸びることになります。
まずは費用のかからない日用品からはじめた試験ですが、
読者の関心が高い家電製品に幅を広げていきます。
当時の家電製品は現在と比べようもないほど高価で、
それでいて欠陥商品も多かったことから、商品選択のナビ役を果たすわけですね♪
そんな「あなたの暮し」が最初に着手する家電製品がトースターです。
このトースターの商品試験は「暮しの手帖」の商品テストをモデルとしていますが、
その驚愕の内容が凄いです!!
コンテンツ
暮しの手帖のトースターの商品テストが凄い!驚愕の内容
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まず「暮しの手帖」は初期の段階で、トースターの商品テストは
2度おこなっています。
最初のテストは昭和33年(1958年)の12月発売の47号での
「電気トースターをテストする」です。
この誌上では当時主流だった片面ずつを焼くターンオーバー式の
電気トースターをテストしています。
(ターンオーバー式のトースター)
テストしたメーカーはサンヨー、東芝、ナショナル、日立、富士の5銘柄で、
それを各台7台ずつ購入しておこないました。
商品の値段は1台1,100円から1,380円で、トータルで4万2,500円ほどの
費用がかかっています。
当時の大卒公務員の初任給が9,200円だったことを考えると、
その4倍以上の経費をかけています。
テストの内容は
① パンが具合よく焼けるかどうか
② 壊れやすいかどうか
③ 取り扱いが楽かどうか
④ 本体や付属品の材料にちゃんとしたものを使っているか
の4項目です
そして①と②に関しては実際にパンを焼いてみるしかなく、
一般的な四人家族の家庭が一年間に焼くパンはおよそ6万1000枚。
当初はその数を実際に焼くことも検討しましたが、パン代だけで
10万円を超えてしまうので、このテストの際にはパンの代わりに
石綿板を使用しました。
※石綿板は当時のトースターの試験に一般的に使用されていたもの
テストを指揮していた編集長の花森安治にとっては予算の都合で
パンを使うことができなかったことは相当悔しかったようで、
次の回のテストで「リベンジ」します。
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第2回目は昭和44年(1969年)の2月発売の第99号の
「焼いた食パン4万3千88枚-自動トースターをテストする」
でした。
タイトルにあるように、この時は何とパンを4万3088枚も焼きました。
これが当時の「暮しの手帖」の誌面ですが、食パンの山ができあがっています!
この際は前記の5社に加え、NEC、シャープ、ゼネラル、三菱の計10銘柄
30台(ナショナルは2機種)でテストをおこなっています。
また当時はターンオーバー式に代わって、自動トースターが
主流になっていましたので、機種はすべてそれです。
(自動トースター)
このテストではトースターの購入に約8万円、パン代で約20万円もの経費が
かかっています。
この頃には同誌の発行部数も50万部を超えていたので、
テストに使える経費も大幅にアップしたものと思われます。
と言っても当時の大卒公務員の初任給は約2万7000円ですから、
その10倍以上の経費がかかっています。
で、肝心の商品の評価ですが、まずまずの評価を得たものもありましたが、
最終的にはアメリカのサンビーム社の自動トースターよりも優れたものはない
との結論でした。
終戦から既に四半世紀近く経っていますが、当時の家電製品は
まだアメリカ製に劣っていたのですね。
このトースターの商品テストだけを見ても、
「暮しの手帖」がいかに本気かがわかりますよね?
各メーカーも商品を発売する前に自社で試験をしますが、
ここまではやっていないでしょう。
実際に当時のメーカーの開発担当者も、
「暮しの手帖に悪く書かれないように頑張った」とコメントしている人もいました。
その後、各メーカーの努力もあってMADE IN JAPANは高品質の代名詞となりますが、
「暮しの手帖」が果たした役割は計り知れないですね♪
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