べっぴんさん|戦後の預金封鎖と新円切り替えの悪夢!

 

朝ドラ『べっぴんさん』では、戦争が終わったもののすみれの

坂東一家は預金封鎖新円切り替え、そして財産税により

経済的に追い詰められていきます。

 

幼い愛娘のさくらを抱えたすみれは戦禍は逃れたものの、

出征した紀夫の消息が一向にわからないまま昭和21年(1946年)を迎えます。

 

終戦直後のハイパーインフレに加えて、配給も遅配し食べ物の確保にも

苦労するほど。

 

加えて前記の新政府の施策によって、資産家だった坂東家も

経済的に打撃を受けて、すみれは五十八と潔に相談をすることになります。

 

ところで戦後の預金封鎖と新円切り替えとはどのようなものだったのでしょう?

 

これによって坂東家は資産を自由に使えなくなりますから、

気になりますよね?

 

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戦後の預金封鎖と新円切り替えの悪夢!

 

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まず前提として終戦直後の日本は、未曾有のハイパーインフレに

襲われることになります。

 

戦後の卸売物価指数は昭和20年を100とすると、21年が46422年が1375

23年が3651と信じられない数字を記録します。

 

単純に考えても物の値段は終戦からわずか3年間に

およそ36倍に上昇したことになります。

 

そのため昭和21217日に当時の幣原喜重郎内閣は、

突如として新円への切り替えとそれに伴う預金封鎖を公布しました。

 

具体的にはそれまでの紙幣(旧円)は33日をもって使用できなくなり

(硬貨や小額紙幣は除く)、その前日までに国民は新たな紙幣(新円)に

引き換えをしなければならなくなりました。

 

同時に国民の預貯金は凍結され、新円の切り替えは一人100円までに制限して、

残りの旧円は強制的に銀行預金となってしまいました。

 

加えてその後は預貯金の引出しを世帯主が月300円、世帯員一人当たり

100円に制限しました。

 

なぜ当時の政府がこのような措置をとったかと言えば、

インフレ対策です。

 

ハイパーインフレになるとお金の価値が下がって、世の中に出回る

通貨の量が激増して、かえって物の価値を高めてしまうという

悪循環に陥ってしまいます。

 

そのため政府は預金封鎖と新円の切り替えという荒療治に出たのです。

 

つまり強制的に国民の通貨の使用量を抑えることで、流通する通貨の量を

極端に少なくして、インフレを抑えようとしたのです。

 

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しかし事業用の資金や占領軍の軍関係者にはこのような制限がなかったり、

世帯員数を容易に水増しできるなど抜け道が多くありました。

 

また旧円が使える期間内に政府の予想をはるかに上回る大量の使用もあり、

かえって膨大な量の通貨が流通してしまうなど混乱もありました。

 

そのため前記の物価指数があらわすように、いっこうにインフレは収まらず、

この施策は失敗に終わったのでした。

 

ドラマのすみれのモデルとなった坂野惇子も多くの日本国民と同じように、

正直にこれらの施策を守ったようですね。

 

そのため資産家にも関わらず、預金が下ろせずに手持ちの現金も少なくなって、

食糧などの物資を購入できないという事態に陥ることになります。

 

ただし、結果的にはこのような逆境が惇子に幸運を招くことになります。

 

このような状況に陥った彼女は、尾上清の助言もあって自分の力で生きていく

ことを意識して、それはベビーショップ・モトヤの起業にもつながっていくことに

なります。

 

当時の裕福な家庭の子女は外で働くことなど論外ですし、惇子の人生もそうでした。

 

しかし経済的に苦境に立たされたことで彼女の意識は変わり、

後のファミリアの成功へとつながっていきました。

 

ドラマでもすみれは同じような道を辿りますが、

彼女の奮闘にも期待ですね♪

 

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