ひよっこ|アイルランドは実話!アポロン電機のモデルは超有名企業
朝ドラ『ひよっこ』では、上京して向島電機に就職した
みね子の新生活がはじまります。
彼女の仕事はトランジスタラジオの組立てです。
向島電機は大手電機メーカーのアポロン電機の下請け企業で、
主にアポロンAR64というトランジスタラジオを製造しています。
またアポロン電機はヨーロッパ市場を開拓するために新たに
アイルランドに工場ができることから、みね子たちも
「アイルランドに負けるな!」とハッパをかけられます。
いきなり世界レベルのスケールの話になりますが、実はこれは実話で
アポロン電機のモデルはあの超有名企業でした!
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アイルランドは実話!アポロン電機のモデルは超有名企業
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最初に結論を申しますが、アポロン電機のモデルとなった企業はソニーです。
現在は世界的な企業で知られるソニーですが、出発は井深大と盛田昭夫が
昭和21年(1946年)に設立した東京通信工業株式会社(東通工)という
小さな町工場です。
しかし昭和30年(1955年)に、日本初となる携帯型トランジスタラジオTR55を
開発すると大ヒット。
(TR-55)
これは電源コードが不要で乾電池で作動したため、どこでも持ち運びができた
画期的な製品でした。
以降のトランジスタラジオのシリーズも日本ばかりでなく世界中で売れて、
ソニーは巨万の富を築いて、世界的な電機メーカーとなる礎を築いたのです。
また当時の日本製の電化製品は欧米では「安かろう悪かろう」のイメージでしたが、
それを覆したのもソニーのトランジスタラジオだったのです。
今や高品質で知られる「MADE IN JAPAN」ですが、その起源となったのも
このトランジスタラジオだったのですね~
そんなソニーですが、実は1950年代から海外進出をしている先見性も
持ち合わせていました。
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「市場の近くで生産をする」とのポリシーのもと、昭和34年(1959年)に
香港に進出。
翌年にはイギリス本国やヨーロッパ市場向けに、アイルランドのシャノンに
工場を建設して生産を開始します。
(アイルランドのソニーの工場)
当時は日本企業の海外進出はまだ珍しく、イギリス全体を見てもブラザー工業が
ダブリンにタイプライター工場を所有していたくらいです。
またソニーのアイルランド工場ではTR-6120などのトランジスタラジオを
製造しており、ピーク時には約100名ほどの従業員で月産3000台を製造していました。
前述のようにソニーのアイルランド工場は昭和35年に生産を開始していますが、
ドラマでは昭和40年と5年ほどの違いがあります。
とは言え、当時アイルランドでトランジスタラジオを製造していた日本企業は
ソニーだけです。
このような経緯に鑑みれば、向島電機の元請けであるアポロン電機のモデルは、
ソニーということになりますね♪
ドラマの「アイルランドに負けるな」には、ちゃんとした歴史上の裏付けが
あったのです!
ちなみにソニーのアイルランド工場ですが、農業国のおおらかさゆえ
生産性が上がらなかったり、良質の部品が得られなかったなどの事情が重なり
赤字に転落し、昭和41年(1966年)1月に閉鎖。
事業自体は失敗に終わっています。
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