わろてんか|春団治の伝説的な破天荒ぶり!赤い人力車や道頓堀ダイブ
朝ドラ『わろてんか』では、波岡一喜さん演じる落語家の
月の井団吾が登場します。
団吾は数々の奇行をおこないますが、落語は天才的で「通天閣と団吾は
大阪の二大名物」とさえ言われるほどです。
藤吉は何とか団吾を北村笑店の専属にすべく奔走しますが、
相手が相手だけになかなかうまくいきません。
そんな団吾のモデルとなっているのが、初代桂春団治です。
春団治は戦前の上方落語界のスーパースターのような存在で、
通天閣と上方歌舞伎の役者の初代中村雁治郎と並んで
「大阪三大名物」と呼ばれていました。
そしてその破天荒な生き方は後世まで伝わっており、数々の奇行で知られる
伝説の落語家です。
そんな春団治の伝説的な破天荒ぶりをご紹介します。
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春団治の伝説的な破天荒ぶり!赤い人力車や道頓堀ダイブ
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①勘違いで師匠を襲撃
若い頃に自分より年下だった弟弟子の桂小団治が売れはじめると、
春団治はそれを妬んで人力車で帰宅するところを襲って、
半死半生の目に合わせます。
ところがよくよく見て見れば小団治だと思った人物は師匠の桂文治で、
春団治はすぐに京都に高飛びして数か月間も逃げ回っています。
②道頓堀にダイブ
阪神タイガースが優勝するとおこなわれる道頓堀川へのダイブですが、
これをはじめておこなったのも春団治です。
贔屓の客と賭けをして、11月の道頓堀川に飛び込んだことが翌日の新聞に
掲載されて、大阪中の話題になりました。
③赤い人力車で登場
売れっ子になった春団治は赤い人力車を購入して、車の前には「春団治」の
名前入りの提灯と車夫の法被にも春団治の名前が染め抜かれていました。
寄席の前に赤い人力車が停まっていれば春団治が出演していると
いうことで、人々はこぞって後を追い、寄席はたちまち満員御礼となりました。
ただしこの話は事実ではなく、明治期に活躍した同じく破天荒だった
落語家の三代目桂文三のエピソードがいつの間にか春団治のエピソード
として語られるようになったそうです。
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④ラジオへの無断出演事件と差し押さえ
春団治は昭和5年(1930年)に所属していた吉本興業部がラジオ番組への
出演を厳禁していたにも関わらず、勝手に大阪放送局
(現在のNHK大阪放送局)と交渉してラジオ番組に生出演しています。
これによって吉本せいは激怒して、もともとあった春団治の借金を理由に
彼の財産の差し押さえの仮執行をします。
ところがその際に執行官から差し押さえの紙を奪って、自分の口に貼る
パフォーマンスをしています。
その時の写真が新聞に掲載されたことから、またしても大阪中の話題と
なります。
⑤高座での仰天のパフォーマンス
出囃子が鳴っても春団治は登場せず、いきなり下足番が舞台に上がると
実は春団治だったなどのパフォーマンスは日常茶飯事で、地方公演では
なんと素っ裸で高座に上がったこともありました。
常に笑いをとることに終始していた彼らしいエピソードです。
⑥「後家殺し」のエピソード
春団治には下積み時代から苦労をかけたトミという妻がいましたが、
大正6年(1917年)に離婚して、11歳も年上の薬種問屋の未亡人だった
志うと結婚して婿養子に入っています。
志うは35万円もの持参金をもって嫁いでおり、多分にこの結婚は金目当て
とされて、春団治は「後家殺し」の異名をとることになります。
しかも春団治は志うの財産をすべて使ってしまうのですが、ふたりの間には
深い愛情があったようで、志うも財産を喜んで差し出したといいます。
また晩年に春団治が病に倒れた時には、志うばかりではなく、先妻のトミや
その娘も駆けつけて看病しています。
これらも人としての春団治の魅力を如実に示すエピソードです。
このような伝説の残る初代桂春団治ですが、落語は天才的だったにも
関わらず、金銭感覚はゼロで終始多額の借金を抱えるなど、
その生涯はまさに破天荒そのものでした。
とは言え、その生き方が現在までも話題となる稀有な人物で、
後年の横山やすしさんや藤山寛美さんらにも影響を与えたとも
言われています。
また余談ですが、春団治の本名は皮田藤吉なので、松坂桃李さん演じる
北村藤吉の名は彼へのオマージュかもしれません。
ドラマでも春団治がモデルとなっている月の井団吾が、
どのように描かれるかも楽しみですね♪
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