半分、青い。そよ風ファンのモデルはバルミューダのグリーンファン
朝ドラ『半分、青い。』では、発明の道に進んだ鈴愛が盟友の律とともに製作する扇風機が「そよ風ファン」(後にマザーと命名)です。
鈴愛が入院していた晴のために風が優しいそよ風の扇風機のアイデアを出したところ、ロボット技術者の律がこれに反応。
いままでにない画期的な扇風機を作るために、「スパロウリズム」という会社まで立ち上げて、これに取り組むことになります。
そして二重構造の羽根を作って、内側と外側の羽根の回転数を調整して、風と風をぶつかり合わせて渦を壊して、そよ風を発生させる仕組みを作り上げます。
これが「そよ風ファン」と名付けられ、商品化の際には「マザー」という名前を命名されることになります。
まさに画期的なアイデアのそよ風ファンですが、モデルとなっているのはバルミューダの「グリーンファン」です。
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そよ風ファンのモデルはバルミューダのグリーンファン
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まずバルミューダとは東京の武蔵野市にある電気機器メーカーで、2003年3月に設立した比較的新しいメーカーです。
社長の寺尾玄氏は1973年生まれで17歳で高校を中退して、スペインやイタリア、モロッコなどの地中海沿岸を放浪。
26歳で帰国後はロックバンドを結成して音楽活動を展開しますが、その2年後に物作りの道を志します。
独学と工場の飛び込みなどで設計や製造をマスターして、30歳の時に有限会社バルミューダデザインを立ち上げたとのこと。
(寺尾玄氏)
ちょっと寺尾氏のプロフの説明が長くなってしまいましたが、なかなかすごい経歴ですね~
しかし2008年のリーマンショックの直撃を受けて、バルミューダは倒産寸前にまで追い込まれていまします。
当時は年間の赤字が1400万円で借金が3000万円。
しかもリーマンショックの影響で物がまったく売れなくなったので、寺尾氏は倒産を覚悟します。
そしてどうせ倒産するなら残っている数百万円を使って好きなことをやろうと、以前から漠然と考えていた「もっと涼しさを感じられる快適な扇風機」の開発に乗り出します。
その後扇風機の風の構造などを研究していくうちに、扇風機の風の心地悪さは風の「渦」が原因ということを突き止めます。
プロペラで回転させて風を前に送り出す扇風機の構造として渦が発生するのは致し方ないところ。
そのため渦を巻かない風をゆっくりと送り出すことができれば、それは快適な風を生む理想の扇風機になることがわかりました。
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とは言え「行うは難し」で、風を壁にバウンドさせることで渦を壊して優しい風にすることまではたどり着きますが、扇風機とバウンド用の壁をセットにするのは現実的ではありませんでした。
そのためどうやって「渦を壊すか」がポイントになったところ、遅い風と速い風の2種類があれば渦の巻き方が変わるということで、二重構造の羽根に辿り着きます。
内側の羽根の速度を遅くして、外側の羽根の速度を速くすれば、外側の大量の空気が内側の少ない空気を補おうと2つの風が寄っていきぶつかり合って渦が壊れるという仕組みです。
YOUTUBEにグリーンファンの仕組みがわかる動画がありましたのでご紹介します。
従来の扇風機の風が渦を巻きながら直進するのに対し、バルミューダのグリーンファンは渦を壊しているため風が拡散するのがわかりますね?
どうやらこれが「心地よい風」となるようです。
その後は東京神田の中堅DCメーカーとタッグを組んでグリーンファンを開発。
完成した時点でバルミューダには社長の寺田さんと社員1名、アルバイト1名の計3人しかいませんでした。
そしてDCメーカーの社長から資金提供を受けて2010年4月にグリーンファンを発売すると、DC扇風機のブームの先駆けとなってヒットします。
そのためバルミューダは倒産を免れたばかりか、以降は空気洗浄機やキッチン家電などを手掛けるほどになります。
長々と説明しましたが、これがドラマの「そよ風ファン」(マザー)のモデルとなっている「グリーンファン」が発売に至るまでの経緯です。
またグリーンファンの生みの親である寺尾氏はドラマに劇中製品開発部分原案として関わっており、まさにリアルな体験がドラマにも反映されていくようです。
このあたりはなかなか楽しみですね~♪
最後にドラマで鈴愛の優しい風の扇風機の着想に大いに役立ったのは、100円ショップ大納言時代に店長の田辺が風を壁に当てていたことでした(わたしも忘れていましたが…)
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