半分、青い。バルミューダの扇風機の売り込み手法に驚いた!
朝ドラ『半分、青い。』では、鈴愛と律は「スパロウリズム」という会社を立ち上げて「そよ風ファン」(商品名はマザー)という扇風機を開発します。
他の記事でもご紹介しましたが、このあたりのエピソードは寺尾玄氏が立ち上げたバルミューダという会社が「グリーンファン」という扇風機を開発した実話が下敷きになっています。
そしてこの寺尾氏は高校で文系と理系の選択を、「可能性の冒涜」として高校を中退し外国を放浪。
その後はミュージシャンを経て家電づくりをはじめたかなりユニークな人物です。
そんな寺尾氏のバルミューダが「グリーンファン」をヒット商品にするまでの売り込み手法がまた驚きです!
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バルミューダの扇風機の売り込み手法に驚いた!
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まずリーマンショックで倒産寸前まで追い込まれたバルミューダでしたが、寺尾氏の度重なるアイデアで自然の風を再現する扇風機である「グリーンファン」の開発に成功します。
しかしその頃には数百万円の手持ち資金は既に費消しており、扇風機のモーターの会社の社長さんからお金を借りて、たった1台の試作品を作り上げます。
通常ならばその試作品を持って銀行に資金調達に行くところ、寺尾氏は「無理」と判断してそれをおこないませんでした。
で、そんな寺尾氏がおこなったのは「注文を取ること」です。
もはや製品の製造資金もないのにいきなり商品の注文を取りに行ったのです。
その際も家電量販店に赴くのではなく、ディノスのようなカタログ通販の会社に売り込んでいます。
その理由はカタログ通販は掲載から半年くらいはラインナップが変わらないから。
家電量販店に持って行ったところで、お店の隅っこなどに置かれたらたまらないですからね~
この戦略が功を奏して、グリーンファンは2000台ほど注文が入りました。
そのため寺尾氏は先に試作品の製作資金を借りたモーター会社の社長さんの元を訪れて、グリーンファンの製造資金の借り入れをお願いしています。
社長さんは迷ったものの、既に2000台が売れているということもあり、最終的には個人で銀行から借り入れして5000万円をねん出してくれました。
このあたりは「先に注文を取った」ことがかなりの功を奏していますね♪
そしてその後に販売計画を立てたのですが、借りたお金を返したり、金型の代金の支払いなどを滞りなくおこなうためにはグリーンファンをトータルで6000台売らなければならないことが分かりました。
グリーンファンは当時としては破格の1台3万円以上するので、家電量販店に持って行っても相手にされない可能性がありました。
そのため寺尾氏はまたもアイデアを凝らします。
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次に寺尾氏がおこなったのは「グリーンファンを有名にすること」で、目を付けたのは「家電芸人」でした。
当時「アメトーーク!」というテレビ番組で家電芸人が話題になりはじめていたので、彼らに「グリーンファン」を紹介してもらおうと考えたのです。
そのため家電芸人の所属事務所を調べ上げ、その前でひたすら芸人がやって来るのを待ちました。
芸人が現れると「すごい扇風機があるので見てみませんか?」とすかさずグリーンファンを紹介。
グリーンファンは当時はどこにもなかった「自然な風を再現する扇風機」でしたから、軒並み家電芸人たちは気に入って、「アメトーーク!」でも紹介されることになりました。
するとその翌日には家電量販店から問い合わせが入り、続々とグリーンファンは店頭に並ぶことになりました。
そのためグリーンファンは売れに売れて、目標の6000台どころか1万2000台が売れて、「DC扇風機ブーム」も巻き起こすことになります。
倒産寸前だったバルミューダの年商も前年の4,500万円から2億5,000万円まで跳ね上がり、一気に息を吹き返しました。
いや~このあたりの売り込みのアイデアや寺尾氏の行動力はすごいですね~
こうしてグリーンファンは人気商品になっていくのですが、その裏には寺尾氏の練りに練った戦略があったのです!
ちなみに『半分、青い。』の原作本では、そよ風ファンのプレゼンのために、鈴愛はB‘zの稲葉さんか松本さんに頼めばというアイデアを出しますが(皆にはスルーされる)、このあたりは「アメトーーク!」のエピソードのオマージュのように思えます。
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